精霊魔法と学園LOVE.STORY Ⅳ

〜王都への道〜

最終話 精霊コア

最終話〜精霊コア〜


校長
ヘッ、手モ足モ出ナイカ。
ナラバコチラカラ行クトシヨウカ!

ズターズ
アゼル!避けろー!

俺にはそんな余裕がなかった。
避けるだとと…。

そして簡単に校長の攻撃が俺に襲い掛かる。

アゼル
ぐっ…はっ…。

ズターズ
だめだ…。
もう…勝てない…。

その時だった。
俺は痛みを堪え、膝をつきながら上を見る。

アゼル
な、なんだ…?あれは…?

俺の真上に赤く光る宝石みたいなのが1つ。
それがゆっくりと俺に向かって落下してくる。

ズターズ
…!?
あれは…!

校長
ナ…サセルカ…!

校長はすぐさま標的を俺にし、
蹴り飛ばそうと蹴りをかましてきた…が。
痛みが感じなくなった。

俺は目を開けると、
辺りが虹色に囲まれていた…。

ズターズ
アゼル!
お前は今、精霊コアを手にしている!
七色に光り、所謂無敵状態だ!
物理、属性、切裂き、全て無効化してくれるぞ!
今のうちにやれ!!

今度はしっかり意識を持ち、
ズターズの言葉をしっかり聞いた。
今ならやれる。そう確信した。

アゼル
行くぞ!校長!
お前をぶっ飛ばしてやる!

校長
クッ…。ヤレルモノナラ…!

俺は七色に光り、
目にも止まらぬ早さで校長に右拳を、
顔面にいれてやった。
すると校長は首だけが吹っ飛んでいき、
体は爆発した。

校長
グァァァァァ!

校長の叫び声が広い空間の中で響き渡り、
不気味な声を鳴らしながら消えていった。

ズターズ
お、終わった…のか…?

アゼル
終わった…ようだ…。

手元を確認すると、
いつの間にか俺の体に入ったコアが、
色がついていない普通の石?になっていた。
時間としては30秒ぐらいしか持たないみたいだ。

アザク
くっ…俺は…。
役に立たなかったな…。

ズターズ
馬鹿言うな、
俺が到着するまで生きていられたのが
不幸中の幸いだ。

アザク
すまねぇな。
さて、帰ろうか。

アゼル
これでやっと普通の生活に
戻れるんだな…。

俺は安心してしまったのか、
その場で倒れてしまった…。

アザク
ったく…しょーがねぇやつだな…。

ズターズ
若者の割には頑張ってくれたからな。
こいつには感謝しねぇと。

アザク
さてと、
俺たちはアゼルを運び終わったら
この世界からお暇させて頂くか。

ズターズ
俺たちは用済みだからな。
よし、行こうか。

光を潜り抜け、
元の居場所に戻ってくる。

レオン
!!
光が見えるぞ!

ラオン
何!?

ミスト
やった!アゼルちゃんだ!

アザク
ただいま戻ったぜ…。

ミスト
あ、アゼルちゃん!!

ミストという子がアゼルに
向かって突っ込んでくる。

ズターズ
よ、よせ、
ただ気を失ってるだけだ。
それにこいつは頑張ったんだ。
今は寝かせてやれ。

ミスト
そう…なんだ。
頑張ったね…アゼルちゃん。

ライザ
父さん…。
僕…何もできなくてごめんね…。

レイナ
あの学園生のときも頼りがいあったけど、
まさか世界を救うなんてね…。

レオン
また今度、ゆっくり飯にでも誘ってやるか…。

サツキ
あ、お兄ちゃん!
何処行くの!?

ラオン
……。
息子よ。お前は…私を超えた…。
剣の腕前…凄く良くなったな。

トモカ
あぁー…これから皆それぞれ散って行くんだ。

ミオ
そりゃそうだよ。
こうやって集まったのは世界を救うためだもん。

アイ
学園の仲間がこれだけ集まるのは
これが最後かもしれないわね。

アザク
それじゃあ俺とラオンとズターズは
この辺りで消えさせて頂きます。

ズターズ
んじゃあ、またな。

ラオン
元気でやれよ…レオン、サツキ…。

ミスト
3人共…ありがとうございました!

ライザ
帰ろう?
母さん。お父さんも連れて!

ミスト
そうね、帰りましょう!


………………。


俺はベッドから目覚める。

アゼル
ん…ここは俺の部屋…?
くっ…体がまだ痛むぜ…。

体を起こしてから、
カーテンを開けると眩しい光がさしこんできた。

アゼル
今日はいい天気だな…。

ミスト
おっはよー!アゼルちゃん!

爽快な声と共に、扉をノックもせずに
ミストがいきなり後ろから抱きついてきた。

アゼル
わっ、あぶねぇだろ!
今、窓から落ちそうになっただろうが!

ミスト
えへへ、ごめんね?
久しぶりの自室で寝れたから嬉しくって!

ミストは顔を赤らめながら
嬉しそうにこっちを見ている。

アゼル
そうだな。
俺たち、世界を救ったんだからな!

ミスト
うん!
あ、ちなみにライザは学校へ行ったわ。

アゼル
ライザ…俺がいない間、ありがとな。

ミスト
あの子もわかってるよ。
お父さんがまかせてくれたから
僕も頑張らなくては!ってね!

アゼル
そいつはよかったよ。
それじゃあ俺は仕事行く準備すっか!

ミスト
うん!
今からだと完全に遅刻だけどね!
社長さん!

アゼル
あぁー!完全に遅刻だ…。

ちなみに俺はあれからテレビでインタビューを受け、
世界を魔物から救った人と言われ、
その能力から国から申請が届き、
精霊魔法を使った防御システムや、
燃料の確保などの会社を建ててほしいとの事。
それが今は馬鹿みたいに
売上が鰻登りになっていた。
まぁ、遅刻をしても問題ない。
実はすぐ隣が会社だから。

ミスト
じゃあ早くスーツに着替えて、
朝食を食べてから行ってね!

アゼル
あぁ、いつもありがとな。

ミスト
いえいえ。
じゃ!リビングで待ってるね!

アゼル
あぁ!


俺は急いで支度を済まし、
リビングに向かうのであった…。


精霊魔法と学園LOVE.STORY 〜完〜


作者・ACE

第一話 新たなる学園生活

第一話 新たなる学園生活


あの物語は…。

まだ終わってはいなかった。

父さんが残した精霊魔法の力。
母さんが残した絶対防御の力。

これらを持ち合わせている俺。

そう。これからは…。

この俺が主人公だ!


……で。
俺はライザ。
今は高校2年生となり、
普通…ではないが、学園生活をおくっている。

今年の春は桜が満開となり、
道中には桜の花びらが落ちている。

ちなみに歩いて登校している。

世界はかなり広く、
一年中春や冬がある場所がある。
俺たちが住む場所は四季がある。
なので、野菜が豊作で良い新鮮な物がとれる。

俺の精霊魔法は父さんにはかなわないが、
芽を生やし、花を咲かせるまではできる。
実をつけるまでは力不足で、できない。

そのかわりと言ってはなんだが、
属性のついた精霊魔法を全て使える。

それに…。
父さんにはできなかった
金の精霊、銀の精霊を使いわける事ができる。

ちなみに説明になるが、
金の精霊は5分間、力を5倍にすることができる。
銀の精霊は5分間、反射をすることができる。

新しい精霊魔法が力になり、
いろいろな事ができるようになった。
その力を…人のために使いたい。

そうこうしているうちに、
学園にたどり着く。

ライザ
あぁ…今日から新学期か…。

門の前に着いた途端に面倒な族に絡まれる。

不良
おう、ライザの野郎だぜ?

不良B
あぁ。いつも俺たちを見下していやがる野郎だ!

不良
俺たちレベルの低い魔法者を
馬鹿にしやがるからな!

ライザ
別に馬鹿にはしてないけどな…。
お前たちが勝手に売ってきているだけだろ…。

不良B
くそう!それが見下してるっていうんだ!

不良
拳でやれば勝てるぜ!
いくぞ!

ライザ
あ…ちょっ…!

不良の1人が俺に殴りかかるが…。
手首を変な風に曲げ、物理を反射する。
俺は当然のように棒立ちだが、
不良の方はかなりの痛みがきているようだ。

不良
く、くっ…手首が…!

不良B
きさま!!やったなあ!!

ライザ
や、やめろ!落ち着け!!

不良のもう一人が闇の魔法で
ダークボールを作り出す。

ライザ
しょーがねぇ…。
闇の精霊よ…闇の力を消却せよ!

すると闇の精霊が、
ダークボールを瞬間的に消しさった。

不良B
だからどうなってやがんだ!
お前のその力はよ!!

ライザ
教えるわけ…ないだろ。
というか、もうやめてくれよ。
俺は平和におくりたいんだよ。

不良
お前には…わからないだろうが…。
魔法力で成績が変わるんだ…。
俺たちはどれだけ頑張ろうと…。

不良B
ずっとレベルが低いままなんだよ!!

ライザ
……………。

先生
こら!何をしている!!

ライザ
あ…やべぇ…
ステルス…!

俺は光の精霊でステルスをかけ、
その場を切り抜ける。

後で後ろを振り返ると、
不良共は先生に捕まっていた。

俺はそのまま校舎の隅でステルスをとく。

…ふと横を見ると、
女の子が立っていた。

ライザ
うぉっ!?
なんだ!?

???
貴方。ステルス使ってたけど…。
光の魔法の使い手??

ライザ
いや…違うけど…。

???
そう。私は光の魔法使い…。
貴方がステルスを使っているのが見えて、
ここまで追いかけてきただけだから…。

ライザ
そうなのか。
まぁ…ある程度は…、
扱えるけど…上級魔法は使えないよ。

なんだかミステリアスな女の子だ。
ステルスが見えるということは…。
彼女もステルスができるのか。

確か光の魔法で最上級魔法がリジャンドで、
相手の魔法力を半分にし、
おまけに動きを遅くすることができるらしい。
ちなみに俺はリジャンドはできない。

???
ちなみに私はリジャンドできるよ。

ライザ
な、なんだと…!
レベルが高ランクの方なのか!

???
まぁね。
光魔法者の中で第一位だからね。
総合では…8位ぐらいだけど。

ライザ
そうなのか。
そういや…聞いたことがあるな。
光の魔女っていうのが…。

???
なんですって?

ライザ
いや!なんでもない!

???
そういう貴方こそ…何者?

ライザ
俺の事を知らないのか…。
ランキングにも乗っていたと思うのだが…。

???
ふーん。
ちなみに属性は何??

ライザ
全属性Xの一位、
総合第一位なんだけど…。

???
…!!
あ、あ…!

ライザ
あ…?

???
これは…!しちゅ!
失礼しました!
私は光の魔法者8位のレイカです!!

ライザ
え…?あの…?

レイカ
一位様にとんでもないことを…!
そしてそして!Xクラスなんて!!

ライザ
いや、ちょっ…!
キャラ変わりすぎだろ!
作者!一体どういうつもりだ…!

レイカ
へ?作者??

ライザ
いや!こっちの話だ…。
それより何故こんなに…?

レイカ
あ、あのですね。
ライザくんにすごく憧れていたんです!

ライザ
あ…そうなのか…。
それはどう…

レイカ
一目みたいと思っていたんです!
まさかこんな形で
出会えるって思ってませんでした!

ライザ
そっか。
じゃあこれからよろしくな!

何か全然わからないけど、
ここまでくればいいか。
逆に俺の方が友達になってほしいし。

レイカ
それでは…よろしくです!

俺たちはそのまま校舎へと向かう。
父さんが通っていた校舎と一緒だ。

ここ二階には確か…。

ライザ
蔓草研究所…。

レイカ
あ…。
聞いたことあるよ。

ライザ
今は誰もいないし、
近づくこともしてないみたい。
だから皆安心してるよ。

レイカ
そう…だね。

ライザ
ん?どうした?そんな暗い顔して。

俺は蔓草研究所の扉をふと見てみる。
すると中から物音がした。

レイカ
っ!?

ライザ
しっ!
下がって!

…………。

気のせいだったのか…?
他の周りの生徒の様子を確認してみる。
……皆こっちを見ている。
なので気のせいではなかったみたいだ。

ライザ
とにかく…ここから離れよう。

レイカ
う、うん!そうですね…!

俺はレイカを連れて、
早々に立ち去った。

……。

黒い影
ふっ。あの時の…復習…。
返させてもらうぜ…。
精霊魔法士さんよ…。

暗黒者
こいつの力を使えば…。
奴と同等の…いや。
余裕だな…!

黒い影
この前みたいに剣で切り裂かれる事もないし、
物理攻撃も効かないみたいだしな…!

暗黒者
へっ。
潰させてもらうぜ。

…………………。

第二話 見慣れた教室と魔法練習

第二話 見慣れた教室で魔法練習

さっきの場所から離れた場所にある、
2ーBのクラスが俺の通う教室だ。

ライザ
やっぱり変わらないな…。

俺はそのまま教室に入り、
席を確認する。
ん、どうやら窓際の一番後ろみたいだ。

ライザ
窓際の一番後ろみたいだけど、
レイカはどこかな?

レイカ
んーとね、
私はその隣みたい!!

ライザ
おぉ!
すごく上手いことになってるんだな…!

レイカ
よかったぁ…。
これでもっとお近づきに…!

ライザ
どうせまた作者だ…
ん?何か言ったか??

レイカ
い、いえ!なんでもないよ?

ライザ
そうか…じゃあ席に座るか。

俺たちは席に向かい、着席する。
そして一番前を見ると…。

ライザ
うっ…さっきの不良Bじゃねぇか…。

レイカ
え?何かあったの??

ライザ
あぁ…さっき門の前で絡まれてな。

不良Bって闇の魔法者か…。
選考が一緒なのか…。

レイカ
それでさっきはステルスを使ってたのね。

ライザ
そうだな。
ところで闇の魔法者と光の魔法者って
やっぱり相性合わないのか?

レイカ
相性合わないよ!
むしろ消えてほしいもん!

ライザ
や、やっぱり…あはは…。

俺は不良Bの後ろ姿をみて苦笑した。

レイカ
あ!先生来たよ!

ライザ
お、ほんとだ。
今回は女性か。

20代後半に見える女性が今年の担任みたいだが…
どこかで見たような雰囲気の人だな…。

先生
静かに!
新学期が始まって、
浮かれてる人がいます。
注意してください!

ライザ
あの人は…。

レイカ
ライザくん、あの先生の事知ってるの?

ライザ
いや、どこかで見たようなっと思ってさ。

アイ
私は今年からこの学園に入りました、
アイという者です。
以前は生徒会長を務めていました。
皆さんよろしくお願いします。

男子生徒
おぉ…あの先生…きれいだ!

男子生徒B
け、結婚とかしてるのかな…?

やっぱりアイさんだ。
去年は学園にはいなかったので、
本当に今年から入ってきたみたいだ。

ライザ
後で挨拶しにいこう…。

レイカ
やっぱり知ってたんだ!

ライザ
あぁ、まぁな。
昔の戦争の時にお世話になったからな…。

レイカ
確か…ライザのお父さんって…。

ライザ
そうだよ。
精霊使いの剣王。
でも、俺が学園に通い始めてから
行方不明なんだよな。

レイカ
ええ!?
そうなの…?

そう。
俺の父さんは学園に通い始めてから
突然姿を消した。
警察の力もあてにならず、
帰ってくることをただ願うしかなかった。

ライザ
まぁいずれ帰ってくるさ。

レイカ
そうだといいね…。

アイ先生がHRを終えると、
こちらに向かってきた。

アイ
こんにちは、ライザくん。
元気にしてた?

ライザ
お久しぶりです、アイさん。
あの時以来ですね。

アイ
元気そうで何よりだわ。
お父さんは元気にやってるかな?

ライザ
それが…俺が学園に通い始めてから行方不明で…。

アイ
え…そうだったの?
まったく…。
あの人はすぐに1人で行動しちゃうから…。

ライザ
何か知ってるんですか?

アイ
いいえ、何も知らないわ。
帰ってくるといいね、お父さん。

ライザ
はい!ありがとうございます!

アイ
それじゃあ頑張ってね!

アイさんは微笑むと、
教室の扉から廊下に出ていく。

レイカ
ライザくんもいろいろ大変だね…。

ライザ
大変な思いは沢山してきたから慣れたよ…。

レイカ
あ…ごめんね。

ライザ
気にすんな、
それより初っ端から移動教室だろ?
急がないと遅刻するぞ。

レイカ
うん!じゃあまた後でね!

レイカは楽しそうにこちらに手を振ると、
教室を出ていった。

ライザ
ふぅ…。しかし…。

この教室内にいる人数は簡単に数えて、
25名程度。
魔法者が最近少なくなってきているのは、
学園のパンフレットに書いてあった。
原因が不明みたいで、
魔力を持つ者がいなくなり、一般人化している。
これが外部には当たり前だが、
やはりこの島内では不思議な出来事だ。

ライザ
やっぱり厳しいのかな…。
子孫を残すってのは…。

ロオン
何か言ったか?

ライザ
うわっ!
なんだ…ロオンか…脅かすなよ…。

いきなり話しかけてきたこいつは、
レオンさんとレイナさんの子供、ロオンだ。
見た目は細めでいつも剣を腰につけている。
ちなみにその剣は、
レオンさんが使っていた剣らしい。

ロオン
あんまり新学期から頑張るなよ。

ライザ
あぁ、とにかく授業頑張るか…。

俺たちは授業時間中、
休みの間、
何をしてたかの話題で授業を全く聞いてなかった。

授業が終わってから、
やっと放課後へのチャイムが鳴る。

ライザ
くーっ!やっと終わった!

レイカ
お疲れ様、ライザくん。

ライザ
授業の時間は全部知ってる事で、
あんまり楽しくないんだよな…。

レイカ
羨ましいよ…。
私は風の精霊について勉強してるの!
でも、全然わからなくて…。

ライザ
それぐらいなら教えれるけど…。
何が知りたいんだ?

レイカ
えっとね、
風の力で浮遊したり、
暑いときに風を吹かせたりしたいの!

ライザ
浮遊はまだできないかもしれないけど…。
風を吹かすことぐらいならできるかもしれない!

レイカ
ほんとに!?
じゃあさっそく今からやろうよ!

ライザ
練習あるのみだからな!
よし、中庭へいくか!

レイカ
うん!!

俺たちは帰り支度を済ませると、
そのまま中庭へ向かった。

ロオン
………。
なんだか胸騒ぎがするな…。
ついて行ってみるか。

…………………。


俺たちは中庭に着くと、
さっそく練習をし始めた。

ライザ
俺は精霊魔法だから、
あんまり手本にならないけど…。
とりあえず風の魔法は大気中にある、
風の流れを読み取るんだ、

レイカ
う、うん…。

ライザ
最初は葉っぱを浮かせる事ができたら上出来だよ。

レイカは必死に風の流れを読むが、
そう簡単に発動させられない。

レイカ
んー、難しいなぁ。

ライザ
手のひらを平行にして、
そこだけに魔力を集中させるんだ。
後、力みすぎてもだめだから、
少しずつ力を加える感じでいこう。

レイカ
わかった!
よーし、こうかな…?

すると、さっきまでの無風とは違い、
ウィンドの魔法が発動し、
葉が空高く舞い上がった。

ライザ
おぉ!凄いじゃないか!
たったの5分で身に付けるなんて!

レイカ
や、やったよ!
ライザくんのおかげだよ!

そう言って、レイカが抱きついてくる。

ライザ
あ、ちょっ…!

レイカ
あ、あっ…ライザくん!
避けて!!

ライザ
ぐぇっ!!

俺はそのまま受け止められずに、
芝生の上に倒れ込む。

レイカ
だ、大丈夫…?

ライザ
う、うーん…。
視界が暗い…。

レイカ
なっ…なっ…!

ライザ
ん…?な…?

やけに顔に柔らかいものがある。
それに視界が暗くて全く見えない。

レイカ
ライザくんのばかあぁぁぁぁ!

ライザ
ぐぇっ!!

俺は2回もダメージを受けて、
意識が遠くなる。
思ったよりダメージが高かったみたいだ。

こんな事なら…もっと美味しいもの…
食べておくべきだった…。

ロオン
お、おいおい…。
何やってんだか…。
とりあえず保健室に運んでやるか…。

……………………

そして次、目覚めた時は、
天井が真っ白な場所だった。

ライザ
ん…?ここは…。

ロオン
気がついたようだな。

ライザ
あれ?ロオンじゃないか…。
俺は一体何をして…あ。

ロオン
お前がいつもつるんでやがる女に、
蹴りをいれられて気絶してるお前がいたから、
ここまで運んでやったんだ。

ライザ
まじかよ…。
レイカのやつ…。

そこまで言って、
ようやくここが何処か把握する。

ライザ
保健室か…。
かなりダメージ受けたみたいだな…。

ロオン
お前でも倒れてしまうこともあるんだな…。

ライザ
そりゃ守りもせずにあれだけやられると、
さすがにHPが持たないな。

???
んんっ…。

ロオン
……。
あ?

ライザ
誰か…いるよな…このカーテンの向こう…。

ロオン
こういうときは…。
スルーしかないよな。

???
ちょっと…!
そこにいるんでしょ…?

やっぱりスルーはできないみたいだった。

第三話 保健室での出来事

第三話 保健室での出来事

ライザ
えっと…。
どうしましたか…?

???
先生を呼んできてほしいの…。

ロオン
それなら俺が行こう。

ライザ
あ…ロオン!
って早いな…。

さすが神速の剣士と言われた男だな。
逃げ足も速いとは…。

???
あのね。
私はアリスだよ。
闇の魔法者だから太陽が苦手なの。

ライザ
それで…アリスさんは何故ここに?

アリス
ちょっと日差しが強くて…。
だからこうして布団にくるまってるの。

先ほどから話しているこの子は、
太陽の日差しが体に悪いみたいで、
ずっとここにいるみたいな感じだ。

ライザ
授業とかどうしてるんだ?
保健室にずっといるって事は…。

???
やっほー!アーリースー!

ライザ
!?!?

アリス
あ…!
イチカ…!だめ…!

そしてカーテンが放たれる…。

ライザ
………………。

イチカ
…………。

ライザ
や、やぁ…?

アリス
い、イチカ……?
私はこっちだよ…?

イチカ
………。

そのまま無言でカーテンを閉められる。
なんなんだ一体…。

アリス
だめだよ…確認もせずにカーテン開けちゃ…。

イチカ
うぁーん!怖かったよぉぉー!

ライザ
むしろこっちが怖かったぜ…。

アリス
あ…隣の人…ごめんね…。

イチカ
ご、ごめんなさい…。

ライザ
いやいや…まぁ何もなくてよかったよ。
それより、俺の名前はライザだから。
よかったら覚えておいてな。

アリス
ライザ…総合一位の人…!

イチカ
う、嘘っ…!

ライザ
やっぱり俺のこと知っているのか…。

俺を知らない人はいないのか。
確かに…総合で一位を獲得すれば、
嫌でも有名になれるからな。

イチカ
あ、あの!
私はイチカっていいます!
ライザさん!ぜひお友達に!

アリス
わ、私も…お友達に…!

2人してカーテンを全開にし、
保健室のベッドに乗り込んでくる。

ライザ
この光景は…やばい…!

俺はそう悟った時には遅かった。

ロオン
おい、先生を連れてきたぞ…?

ライザ
あ…。

保健室の先生
……。
アリスさん?それにイチカさんまで…。
ライザくんのベッドの上で足にまたがって
何をしているの?

アリス
あ、あの…これには訳が…!

イチカ
ちょ、ちょっと…
お友達になろうとしただけです!

ライザ
………。

レイカ
ら、ライザくん…?
調子はっ…?

………終わった。
完全に俺の青春ライフは終わってしまった。



〜GAME OVER〜


…………。

レイカ
ちょ、ちょっと!
GAME OVERじゃないわよ!

ライザ
いや、もうここでGAME OVERでいいだろ…。

保健室の先生
いいから早く、どきなさい!
教育上よろしくないから!

アリス
あ…!はい!

イチカ
す、すみません!

ライザ
………。

レイカ
せ、せっかく謝りにきたのに!

保健室の先生
とりあえず説明してもらえるよね?

イチカ
えーっと…あの…。

アリス
わ、私が初めに声をかけて…。
その後に総合一位の人と聞いて…。

イチカ
テンションがあがっちゃったっていうか…。

レイカ
な、なーんだ。
そんな事だったんだ…。

ライザ
そういう事だな。
変な事はしていないだろ?

俺はみんなに証明するように、
大きな声で言う。

保健室の先生
まぁ、変な事はなさそうだし…。
大丈夫って事にしといてあげるね。

ライザ
それは助かります…。

すると、突然保健室の扉が開け放たれた。

警備員
た、大変だ!!

保健室の先生
何事です!?

警備員は慌てた様子で俺の方を見る。

警備員
先生はともかく!
ライザくん!君しかいないんだ!

ライザ
は?いきなりどうしたんですか…?


………………………。

第四話 初めての戦闘

第四話 初めての戦闘

ライザ
は?いきなりどうしたんですか…?

警備員
校門からいきなりゾンビ達が現れて…。
総合魔法者10位以内の子達が対処してるが、
追いつかないんだ!!

レイカ
え、怖いよ…。

ライザ
…。
わかりました。
レイカはここにいろよ!!

俺は一気に走り出す。
さっきのダメージは嘘みたいになくなっていた。

……。

ロオン
くっ…。
斬っても斬ってもきりがねぇ…。

ゾンビ
くがぁぁぁ!

ロオン
ちっ…やべっ…。

俺は間一髪で避けるが、
爪で服を破かれた。
仕返しに斬り刻む。

ライザ
ファイヤースター!
ロオン!大丈夫か!?

ロオン
あぁ…なんとか…大丈夫だ。

ライザ
それにしてもすごい数だ…。

簡単に数えた所、100ぐらい見える。

ロオン
とりあえず戦うぞ…!

ライザ
言われなくても!!

〜戦闘開始〜


ライザ HP250 SP120 ☆風・岩
ロオン HP300 MP60

ゾンビ HP500
ゾンビ2 HP500


ライザ
ここで戦闘の説明をしておく!
上のステータスはわかるだろ?
前の小説と一緒だ!!

ライザ
精霊魔法
風 ウィンド ウィンダ →トルネード ガトルネード
岩 ロックル ウォック ロックバク メテオ

ライザのトルネード!-50SP
ゾンビに240ダメージ!

ロオン
斬撃
→桜蘭斬 岩石崩

ロオンの桜蘭斬!-10MP
ゾンビに250ダメージ!

ゾンビのひっかく!
ライザに50ダメージ!

ゾンビ2の殴りかかる!
ロオンに40ダメージ!

ライザ HP200 SP70
ロオン HP260 MP50

ゾンビ HP10
ゾンビ2 HP500

ライザ
チャンスだ!やるぞ!
精霊魔法
風 ウィンド ウィンダ トルネード ガトルネード
岩 ロックル ウォック ロックバク→メテオ

ライザのメテオ!-70SP
ゾンビに300ダメージ!
ゾンビは倒れた!

ロオン
一気に殺ってやる…!
斬撃
桜蘭斬 →岩石崩

ロオンの岩石崩!ー20MP
ロオンは力をためている…。

ゾンビ2のひっかく!
ロオンに60ダメージ!

ライザ HP200 SP0
ロオン HP200 MP30

ゾンビ HP0
ゾンビ2 HP500

ライザ
ちっ…SPが切れちまったか…。

レイカ
ライザくん!!

ライザ
うわっ!?レイカ!?

レイカ
私が回復させてあげるね!

レイカが戦闘開始しました。
加わった事により、
回復が行えるようになりました。

ライザ HP200 SP0
ロオン HP200 MP30
レイカ HP200 MP200

ゾンビ HP0
ゾンビ2 HP500

レイカ
いっくよぉー!
光魔法
ヒーリング ハイヒーリング →フルヒーリング
ステルス ケアレス シャイン ホーリー

レイカのフルヒーリング!ー40MP
ライザとロオンのHPSPMPが全回復!

ライザ
おぉ!すげぇな!いくぜー!
精霊魔法
風 ウィンド ウィンダ トルネード →ガトルネード
岩 ロックル ウォック ロックバク メテオ

ライザのガトルネード!ー60SP
ゾンビ2に400ダメージ!

ロオン
これで終わりだ…!
斬撃
桜蘭斬 →(超)岩石崩

ロオンの岩石崩!
ゾンビ2の辺りが岩で包まれる!

…終わりだ。

ゾンビ2に600ダメージ!
ゾンビ2は倒れた!

ゾンビ3 HP500
ゾンビ4 HP500
ゾンビ5 HP500
ゾンビ6 HP500

ライザ
ま、まじかよ…。

ロオン
多すぎだろ…!

???
おいおい…そんなんで総合一位名乗ってんのか?

ライザ
なっ…誰だ!?

黒いローブ男
俺は…まぁなんでもいいだろ。
それより俺に任せろよ。

黒いローブ男 HP5600 SP2500
精霊魔法
ファイヤー ギファイヤー ガファイヤー リフカノン
ウォーター ガウォター ロケットウォーター
サンダー ガサンダー サンダーボルト トロンガ
ロックル ウォック ロックバク メテオ
ウィンド ウィンダ トルネード ガトルネード
ブリザー ブリザード ブリザートルネード
ヒーリング ハイヒーリング フルヒーリング
ステルス ケアレス シャイン ホーリー
ダーク ダークホール ディスベル →カオスバインド
リフレクション アタックアップ ゴッドワープ

黒いローブ男
全てを包む最悪の闇よ。
弾けよ!

辺りが闇に包まれる…。
そして斬撃…風の力…鎌鼬が発動。

強制発動!カオスバインド!!
全体に目潰し、耐性弱化効果。
全体に15000ダメージ!
ゾンビ達は倒れた!

ライザ
そ、そんな…まさか…!
こんな精霊魔法…。
場所も関係なしに出せるなんて…!
と、父さ…

黒いローブ男
へっ、場所なんて関係ねぇぜ?
いかにどれだけ自由に精霊を感じれるかだ。
それを覚えておくんだな…。

ライザ
あ…ちょっと待って…!

レイカ
あら…もういなくなってる…。

ロオン
とにかく…戦いに勝ったな…。

戦いに勝利した!

…………。

ロオン
何とか…ゾンビを倒したが…。
あの人は一体…。

レイカ
見た所…精霊魔法を使ってたみたいだけど…。

ライザ
……………。

父さんだったのか…?
あれだけ自由にこなせるのは1人しかいない。
確定しているが…何故今になって…?

先生達
おーい!大丈夫か!!

レイカ
あ、はい!
何か、黒いローブを着た男性に助けられました!

先生
そうか…その人には感謝せねばな。
とりあえず今日は帰っていい。
他の者達も寄り道せずに帰るんだぞ!

ロオン
…行くぞ。

ライザ
あ、あぁ…。

と、俺はそこで立ち止まる。
地面に何か落ちていたからだ。

ライザ
なんだこれ?

ロオン
ん?なんだろうな…。

レイカ
この赤い珠って…まさか…!
ライザくん!拾っちゃだめ!!

レイカが俺に忠告を入れたところで、
その珠に触れてしまったが、
すぐに手を離した。

……………。