精霊魔法と学園LOVE.STORY Ⅳ

〜王都への道〜

第三話 蔓草研究所

第三話 〜蔓草研究所〜

………。

ミスト
う、うーん…ここは?

辺りを見渡すと、壁は鉄で覆われており、
私が寝ている布団とボロい机が真ん中にあり、
それ以外何もない部屋だった。

ミスト
なんだか監獄みたい…。
今なら監視の人かもいないし…。
携帯で連絡とれるかも!

私は携帯を取り出し、
電話をかけようとするが…

ミスト
つ、繋がらない…。

よく見ると電波がない状態になっている。

ミスト
そ、そんな…。

???
無駄ですよ。
ここは地下の奥深く。
携帯などの電波は通りませんよ。

ミスト
だ、誰なの!?
どこにいるの!?

???
はっはっは。
私は理事長だ。
そして放送でお嬢さんに話しかけている。

ミスト
こんなことして何が目的よ!

理事長
まぁ、壁にあるモニターを見てみろ。

理事長が言った壁のモニターに目をやると、
そこには6限目の農業の時間が写っていた。

ミスト
これは…

理事長
アゼルという男。
絶対にここにくるだろう。

ミスト
アゼルちゃん…。

理事長
奴の力がほしいのだ。
アゼ…の……精…魔…で…

何故か、放送の声が聞こえづらくなっている。
もしかすると誰かが妨害しているのかもしれない。

ミスト
アゼルちゃんだ…。

すると鉄の壁が開く。

校長
さぁ!来い!

ミスト
う、いやぁ…

私は校長に腕を捕まれ、
乱暴に引っ張られる。

校長
お前の愛しのアゼルくんが
痛めつけられるところを見せてやろう!

ミスト
やめてよ…!

校長
うるせー。
早くこい!

私は無理やり引っ張られ、
連れてこられた先は…

理事長
どうだ、いい眺めだろ?

アゼル
ミスト!

ミスト
アゼルちゃん!

その場所は…
周りがガラス張りになっており、
そこから下にアゼルちゃんがいる。

………。

アゼル
今助けてやるからな!

レオン
来るぞ!

レイナ
え、敵!?

アイ
気をつけて!
今までとは違うよ!

アゼル
こ、こいつは…!?

俺の目の前に現れたのは
今までとは違う人間…。
人間だと…?

レオン
…!
サツキ…!

アゼル
お前の知っているやつか!

サツキ
お兄ちゃん…久しぶり。

アイ
この子は…確か。
2年生で行方不明になっていた…。

レイナ
じゃああの子が…。
レオン君の探していた子?

レオン
俺の…妹だ。

アゼル
な、なんだと!?


サツキという子はレオンの妹だった。
レオンは家族を捕られていたのだ。
しかも長い間、操られていたのだ。

アイ
今まで通りにあの頭についてる機械を潰しましょ!

校長
よし、おまけにこいつを出してやろう。
いけ!ミスト!

アゼル
なっ!?

ミスト
アゼル…アゼル!

レオン
レイナとアゼルはその子を頼む!
俺とアイ先輩でサツキを何とかする!

アゼル
わかった!

そして俺はミストに抱きつきにかかる。
その隙にレイナがこの頭の機械をとれば…!

アゼル
レイナ!

レイナ
おっけい!

そして、簡単に頭から変な機械はとれたのだった。

アゼル
よし!
ミスト!大丈夫か!

ミスト
う、うーん。
大丈夫みたい…

理事長
ばかな…
どうしてあんな簡単にとれるんだ…?

レオン
サツキ!サツキ!

サツキ
おにぃ…ちゃん?

アイ
よかったわ…!

みんなが目を覚ますと、
再び上を見上げる。

校長
くっ…
何故なんですか!

理事長
私にわかるわけないだろう!

校長
くっ、俺が相手してきます!

理事長
あ、こら!待たんか!
そこから飛び降りると…。
ってもう遅いか。

校長
うぉ!?

アゼル
な、なんだ?


よく見ると罠が仕掛けられており、
床に穴が空いていた。

校長
うわぁぁ!

レイナ
あわわ…

レオン
この下は…。

アゼル
見てみよう…。

俺とレオンは下を見ると、
そこには串刺しになった校長が目を開けて、
こちらを睨んでいた。

アゼル
くっ…

レオン
やばかったな…

理事長
ちっ、余計なことを…

アイ
アゼル!
理事長が逃げていくよ!

サツキ
あっちは出口だよ!

レオン
よし、わかった!

ミスト
いこ!アゼルちゃん!

アゼル
あぁ!絶対に捕まえてやる!


俺たちは一斉に走り出した。
そして出口へと急いだ。

レオン
サツキ…今まで助けにこれなかってごめんな。

サツキ
いいよ、
お兄ちゃんがきてくれるって信じてたもん

レオン
そうか…。

アゼル
お、見えてきたぜ!

レイナ
とりあえずこの校舎内を探してみましょ!

アイ
でも、時刻は朝8時よ。
一般生徒が来ている時間だわ。

確かにそうだ。
今日は平日だから登校してくる時間だ。
すると、出口に沢山の人がいる。

アゼル
うわ…
どうするよ…

レオン
おい!おめぇら!
理事長こなかったか!?

男子生徒
おう、レオン!
そんなことだろうと、
バッチリ捕まえておいたぜ!

女子生徒
私の友達をよくも…!

女子生徒B
サツキちゃん!
よかった…無事だったんだ!

サツキ
ごめんね。皆…。


皆、それぞれに友達の所へ行き、
話し合ったり、抱き合ったりしていた。

俺は理事長をぼこぼこにしてから
警察に届けるようにする。
そして、理事長を探す。
その姿はすぐに確認できた。
状態は、全身傷や殴られた後が沢山ついており、
おまけに縄でぐるぐるまきにされていた。

理事長
くっ…

アゼル
はでにやられたものだな?

理事長
貴様の精霊魔法を使ってやろうと思ったのだがな。

アゼル
残念だが、もう無理になったな?

理事長
ふっ、お前のような転校生にやられるとはな。
どうやって頭の機械を外したんだ?

アゼル
あんなの初歩的な機械だ。
ドライバーさえあれば解除できるんだぜ?
繋ぎとめている場所を考えると
すぐにわかったぜ。

理事長
校長の頭はそこまで馬鹿だったのか…。

アゼル
あんたには指名手配がある。
警察に連絡して…

ミスト
もうよんであるよ!

アゼル
ミスト、ありがとな 。

俺はミストに礼を言うと、
理事長に向き直った。

理事長
なんだ。まだ何かあんのか?

アゼル
いいえ?
でも、貴方のしたことは罪が重過ぎますよ。
檻の中でじっくり考えてくれ。

理事長
ちっ。

警察官A
いたぞー!

すると、警察官の団体様が
理事長目掛けて走ってくる。
その中でも一番偉そうで厳つい警察官に
こう言われた。

警視庁
君かね、理事長を探し出してくれたのは。

アゼル
俺だけじゃないです。

警視庁
そうか。
では、事情を伺うために
その関係者を連れてきてもらおうか。
怪我人がいたらすぐ言ってくれ。

アゼル
わかりました。

警視庁だろうか、
的確な指示を出してくる。

俺は皆を集め、
警視庁が待機している
共有スペースへ向かった。