精霊魔法と学園LOVE.STORY Ⅳ

〜王都への道〜

第四話 理事長確保

第四話 〜理事長確保〜


すると、レオンから声をかけられる。

レオン
なぁ、アゼル。

アゼル
なんだ?

レオン
いや、何かこれでよかったのかなって。

アゼル
あぁ、大丈夫だろ。
これからは新しい理事長が来るし、
校長だって新しく来るらしいし。

レオン
ならいいんだけどな。
こんな事…二度と起こってほしくなくてさ。

アゼル
そうだな。

レオンと話していたらいつの間にか
共有スペースについた。
そして厳ついおっさん(おそらく刑事) が
俺たちに歩み寄る。

刑事
まっていたぞ。
ここから署の方にきてもらい、
今までの事を話してもらうことにしよう。
大事な証拠だからな。

レオン
あの、サツ…いえ、俺の妹はずっと誘拐されてて
精神面の方で疲れてると思うんです。
病院で話をすることはできないでしょうか?

刑事
そのことなら警察病院があるんだ。
そこで話をすればいいだろう。

レオン
あ、ありがとうございます。

レオンはそう言うと、
共有スペース出口のすぐ側に
パトカーが止まってる方にサツキと歩き出した。

ミスト
私は大丈夫だから、行こ?

アゼル
あぁ、でも無理すんなよ?
辛くなったらすぐに言ってくれよな。

レイナ
私とアイ先輩で後ろのパトカーに乗るね。
また後でね!

アイ
それじゃあ。

アゼル
あぁ、また後で…。

ミスト
私達も行こ?

アゼル
そうだな。

俺は3台あるうちの真ん中のパトカーに
ミストと一緒に乗り込む。
パトカーって臭いんだな…。
俺たちの他には補助の警官が両サイドに2人、
運転手が1人、助手席に1人だ。
俺たちは後部座席の真ん中にいる。
かなりガードがきっちりしているようだ。

ミスト
し、失礼ですが…
なんか臭わないですか?

アゼル
大丈夫、俺もそう思っていたところ。

警官A
おい、ファブ〇ーズさぼったな!

警官B
いやいや!
先輩が当番ですよね!?

警官A
やかましい!
細かい事は気にするな!
今からでもいいからするんだ!

警官B
そんなムチャクチャな…。

アゼル
いやまぁ、大丈夫ですから…
ちょっと静かにしてもらえますか…。

警官A
あぁ、すまないな…。

警察官の人は素直に黙ってくれた。
さすが職業柄があってすごいな。

ミスト
もう少しで着くんじゃ…?

アゼル
確かに、歩きでも10分程度だから
そう遠くはないだろうな。
しかもパトカーだし。

ミスト
そっか!
あのね、私…化粧直しに行きたい…。

アゼル
あ?ここですればいいじゃないか。

ミスト
こ、ここで何でできないよ!ばか!

アゼル
なんなんだ…?

警察官A
おそらくトイレだ。
署に着いたらすぐにあるから我慢しな。

アゼル
なるほどな…。

俺は1つ賢くなった!

ミスト
アゼルのばか。

アゼル
ごめんって、わからなかったんだよ。

ミスト
ぷくっー。

ミストは怒ったように口を膨らませる。
こういうとこが可愛いな。
と、茶化すのは悪いので、
運転手に話を聞いてみる。

アゼル
運転手さん、後どれぐらいです?

運転手
そろそろ着きそうですよ。

俺とミストは窓の方を見ると、
かなりのマスコミが警察署の周りにいた。

アゼル
な、なんじゃこりゃ…

警察官A
マスコミ共に聞かれても何も喋るな。
いいな?

アゼル
わ、わかりました…。

パトカーはいったん駐車場へ止まった。
外から警察官が扉を開ける。

警察官C
どうぞ。
お早めに署の中へ。

アゼル
は、はい。
行くぞ、ミスト!

ミスト
う、うん!

俺はミストの手を握り、そのまま署へ走る。
すると、後ろからレオンとサツキがきた。

レオン
アイ先輩とレイナは?

アゼル
わからんが、
とにかく中に入ろう!

レオン
わかった!

俺たちはマスコミを蹴散らし、
署の中に入る。
すると、一人の女性に声をかけられる。

女性警官
さぁ、こっちよ。
残りの2人は部屋で待ってるわ。

アゼル
わかりました。

レオン
先に行ってたのか。

サツキ
お兄ちゃん…大丈夫かな?

レオン
心配することないさ、
話をして、終わりだからな!

ミスト
えっと…お手洗い…。

しまった、思いっきり忘れてた。
ミストが我慢している事に。

アゼル
あの、すみません。
この子がトイレを借りたいようなので…

女性警官
あら、そうだったの?
ちょうどここだし、待ってるわ。

ミスト
あ、ありがとうございます!

サツキ
じゃあ私も!

女子達はそういうと、
俺たち男を放置してトイレに入っていった。

アゼル
ついでだし、俺たちもすませておくか?

レオン
あぁ、そうだな。

俺たち2人もトイレに入った。


ミスト&サツキ〜編〜

ミスト
サツキちゃん。

サツキ
なんですかー?

ミスト
サツキちゃんって、
私達と同い年だよね?

サツキ
そうですけど、
なんだか、
ミストさんっておねぇちゃんみたいだなぁ。
って思ってね?

ミスト
そうなんだぁ。
ねぇ、それじゃあアゼルちゃんは?

サツキ
うーん、顔は格好良いと思うんですけど、
まだ性格がわからないから…なんとも。

ミスト
じゃあ今度遊んでみてはどうかな?
もちろん、このみんなで!

サツキ
そうですね!
私はお兄ちゃんを誘いますね!

ミスト
じゃあ私はレイナとアイ先輩を誘ってみてから
アゼルちゃんを誘ってみるね!

サツキ
アゼルさんは最後ですか?

ミスト
うん、その方が誘いやすいかな?って。

サツキ
そうですか、じゃあ戻りましょうか。

ミスト
うん!


アゼル&レオン〜編〜

レオン
なぁ、アゼル。

アゼル
なんだ?

レオン
今度みんなで遊びに行ってみないか?

アゼル
何故またそんな急に?

レオン
楽しいことを…学生の間にしかできない事を
してみたいんだ。

アゼル
なるほどな…。
俺はいいぜ?
何処行くかは意見を聞いてからだな。

レオン
あぁ、それともう一つあるんだ。

アゼル
ん?

レオン
サツキ…お兄ちゃんっ子だから、
他の男友達を作ってほしいんだ。
そこで、アゼルに頼みがあるんだ。

アゼル
友達になってやってくれとか…
そんなんだろ?

レオン
その通りだ。
別に無理にとは言わない。
頼んでもいいか?

アゼル
そういう事なら、まかせておけ!

レオン
ありがとう。
そろそろ戻るか。

アゼル
あぁ。

そして俺たちはトイレから出ると、
既に女子は出てきていた。

ミスト
遅いっ!

アゼル
ごめんごめん。
いろいろ話してたらな?

レオン
あぁ、実は…
みんなで遊びに行きたいと考えてたんだ。

サツキ
お兄ちゃん!それ私達もだよ!?

レオン
そ、そうなのか?

ミストとサツキは俺たちと同じことを
トイレの間で話していたようだ。

アゼル
丁度同じ話をしていたのか!

ミスト
それじゃあ話は早いね!
予定より少しずれちゃうけど。

アゼル
ん?何がだ?

ミスト
うぅん!なんでもないよ!

ミストはそう誤魔化したが、
俺は疑問に思ったので聞いてみた。

アゼル
あのさ、どうして遊ぶって事が出てきたんだ?

ミスト
あのね、
私からの提案なんだけど、
サツキちゃんをいろいろな場所に連れていって、
楽しくできたらいいなって思ってたの。

サツキ
私…アゼルさんと…
と、と…!

アゼル
ん…?と?

サツキ
と…友達になりたいんです!

レオン
こちらから言うまでもなかったな!
アゼル!

アゼル
あぁ、そうだな!
サツキちゃん、いいよ。
友達になろう!

サツキ
ありがとうございます!

ミストは俺とサツキちゃんを
仲良くさせるための作戦?だったのだ。
こちらから言う手間も省けたから、
そのお返しとして、遊びに誘ってみることにする。

アゼル
サツキちゃん。
もしよかったらだけど、
みんなで喫茶店行ってみないか?

ミスト
お、あのアゼルおすすめの!?

レオン
飯は上手いとこなのか?

アゼル
あぁ、まぁな!

サツキ
行ってみたいです!

アゼル
決まりだな。

約束を交わして、
その場が何処だか今になって気づく。

女性警官
そろそろいいですか?
もう時間がありませんので…。

ミスト
す、すみません…。

気づかずにずっと話していた俺達。
きっと、このメンバーでいるのが
すごく楽しいのだろう。
そう。時間を忘れるほどに。

そして俺たちは
レイナとアイ先輩がいる場所に着く。
中に入ると、
長机が一つと椅子が10脚ならんでいる、
それ以外何もない場所に連れてこられた。
するとアイ先輩が呆れた顔して話しかけてきた。

アイ
ようやく到着ね。
マスコミにでも捕まっていたの?

アゼル
そういうわけじゃないんだ、
ただトイレに行って、話し込んでしまって…。

レイナ
トイレで話し込んだの!?
ま、まさか…!

アゼル
いやいや!
変な誤解すんなよ!?

アイ先輩の目が何だか怖くなっている。
気のせいにしておこう…。

アイ
それで?
何を話していたの?

アゼル
実は…

俺はアイ先輩に皆で遊ぶ事や、
友達作りのことを全て話した。

アイ
それは良さそうね。
楽しくするのはいいことだわ。

ミスト
それじゃあレイナは強制参加ね!

レイナ
え!まぁ、いいけどさ〜

レオン
サツキも俺も参加しますよ。

アイ
ここにいるメンバー全員ってことね?
私も参加するわ。

アゼル
それじゃあ、今度の休みに学園集合ってことで。

俺がそういうと、
皆は反対せずに返事をしてくれた。

少ししてから刑事達が中に入ってきた。
おそらく俺たちの話をきくために。

刑事
それじゃあ話を聞かせてもらおう。
誰か代表して喋ってくれるかな?

そういうと、刑事さんは俺を指名してきた。

アゼル
え、俺ですか?

刑事
君が見たところ、皆を引っ張ってる気がしてな。
お願いできるかな?

アゼル
はい、では…。