精霊魔法と学園LOVE.STORY Ⅳ

〜王都への道〜

第五話 刑事達

第五話 〜刑事達〜

刑事
まず一つ目なんだけどな。
理事長は学園で何をしていた?

アゼル
ほとんど学園には顔を出さず、
ずっと研究所に入ってたと思われます。

刑事
そうか、君は転校生だったな?
なのに、どうしてあそこにいるとわかったんだ?

アゼル
一度あそこを通りかかったときに
怪しい人影を見たんです。
そこから何かあると思ってました。

刑事
うーむ。
それから変なやつにつけられていたとか、
女の子のほうがストーカーにあったとかないか?

アゼル
一度だけあります。
学園からの帰り道にスーツ姿をした
校長が追いかけてきまして…。
俺は殴られて気を失い、
こっちの女の子は
その校長に連れて行かれたんです。

刑事
校長か…。
上の人間が揃いも揃って。
で、その校長はどこに行ったんだ?

アゼル
自ら仕掛けた罠にかかり、
亡くなりました。
あそこの研究所に遺体はあります。

刑事
わかった。
こちらで捜査しておくことにしよう。
それで、最後に1つ。
研究していた内容はわかるか?

アゼル
はい、それが…人体実験で、
人を操り、何かをしようとしてたみたいです。

刑事
その、何かとは?

アゼル
詳しくはわからないんですけど、
俺がもつ力を欲しがっていたみたいなんです。

刑事
力か…精霊と対話できる力か?

アゼル
その通りです。
それを使い、金もうけを考えていたと思われます。

刑事
よし、いいぞ。
こちらからは以上だ。
病院はこちらで手配してあるが、
どうする?

アゼル
一応この二人はお願いします。

俺はミストとサツキちゃんを指さした。

刑事
わかった。
他は大丈夫だね?

アゼル
はい。ありがとうございます。

刑事
それじゃあこの2人を頼んだぞ。

看護婦
わかりました。
では、いきましょう?

ミスト
みんな、また後でね!

サツキ
お兄ちゃん!お見舞いきてね!

レオン
入院はしないだろ?
検査だけで終わると思うから早く戻っておいで。

サツキ
うん!
じゃあね!

レイナ
待ってるよ、二人とも!

そうしてミストとサツキは
隣の警察病院に向かって行った。

刑事
後は好きに帰っていいが、
あまり署の中をウロウロされては困るからな。
まずはここで少ししてから
警察病院に行ったらどうだ?

アゼル
じゃあそうさせていただきます。

刑事
ではな。

そう言うと、刑事達はぞろぞろと出ていく。
残された俺たちは…。

アイ
お腹すいたわ。

レオン
ですよね…朝から何も食べてないんです。

レイナ
これからそれぞれ家に帰るの?

アゼル
一応その予定だが…

レイナ
じゃあさ!
学園戻って、食堂で食べるってのはどう?

アイ
今の時間なら空いてるわ。
売店もあるから焦らなくても大丈夫だと思うけど。

アゼル
それじゃあそれで行こうか。
ミストとサツキちゃんにも聞いてみような?

レイナ
うん!

レオン
そろそろ行くか?

アゼル
あぁ。

ある程度時間がたったので、
病院の方に移動することになった。
ここは一階で、
署内の地図がわかりやすくあったので
それを見てから移動した。

目的地に着くと、
すでに検査済みの二人が椅子に座っていた。

ミスト
アゼルちゃん!
どこにも異常ないって!

サツキ
私もだよ、お兄ちゃん!

アゼル
おぉ、よかったなぁ。

レオン
何もなくてよかったよ。

レイナ
ねぇねぇ、ミストとサツキちゃん。
これから学園に戻って
食堂でご飯っていうのはどう?

ミスト
いいね!
お腹空いてたところなんだ〜

サツキ
お兄ちゃんが一緒になら…

アイ
早く行かないと昼休みが終わってしまうわ。
急いでね。

アゼル
そうだな。

俺たちは早足で警察署から出た。

そして…皆走って学園へ行くのであった。

……。

しばらくすると、女子達が限界に近づいていた。

レイナ
もうだめ…

サツキ
お兄ちゃん…おんぶして…

ミス
アゼルちゃん…お姫様抱っこ…

アイ
私も…お願いしようかしら…。

アゼル
いやいや、
2人もできませんからね!?
それに少し歩きながら行けば…。
なぁ?レオン?

俺はレオンに同意を求めようとした。

レオン
ほら、しっかり捕まってろよ!

サツキ
う、うん。

……。
俺はズッこけてしまった。

………。

いろいろあったが、
食堂についた。

レオンがもたもたしていたせいで、
メニューがほとんど無くなっていた。

レオン
さて、食うか。
売店のサンドイッチ。

レイナ
そ、そうだね?

ミスト
今はこれで我慢するしかないよね…?

アイ
私はこれぐらいが丁度いいかと思うけど?

サツキ
お、お兄ちゃん?
アゼルさんが…。

アゼル
いいんだ、サツキちゃんのせいじゃない。
レオン。明日の日替わり弁当奢りな。

レオン
だ、だってな〜?
サツキが倒れそ…

アゼル
日替わりな?

レオン
わかった…。

俺が冗談を言うと、
周りにいるメンバーが笑い出す。
こういう事でも笑える仲間はすごくいい。

俺はこのメンバーでずっといられるように
ひそかに心で願ったのであった。