精霊魔法と学園LOVE.STORY Ⅳ

〜王都への道〜

第二話 見慣れた教室と魔法練習

第二話 見慣れた教室で魔法練習

さっきの場所から離れた場所にある、
2ーBのクラスが俺の通う教室だ。

ライザ
やっぱり変わらないな…。

俺はそのまま教室に入り、
席を確認する。
ん、どうやら窓際の一番後ろみたいだ。

ライザ
窓際の一番後ろみたいだけど、
レイカはどこかな?

レイカ
んーとね、
私はその隣みたい!!

ライザ
おぉ!
すごく上手いことになってるんだな…!

レイカ
よかったぁ…。
これでもっとお近づきに…!

ライザ
どうせまた作者だ…
ん?何か言ったか??

レイカ
い、いえ!なんでもないよ?

ライザ
そうか…じゃあ席に座るか。

俺たちは席に向かい、着席する。
そして一番前を見ると…。

ライザ
うっ…さっきの不良Bじゃねぇか…。

レイカ
え?何かあったの??

ライザ
あぁ…さっき門の前で絡まれてな。

不良Bって闇の魔法者か…。
選考が一緒なのか…。

レイカ
それでさっきはステルスを使ってたのね。

ライザ
そうだな。
ところで闇の魔法者と光の魔法者って
やっぱり相性合わないのか?

レイカ
相性合わないよ!
むしろ消えてほしいもん!

ライザ
や、やっぱり…あはは…。

俺は不良Bの後ろ姿をみて苦笑した。

レイカ
あ!先生来たよ!

ライザ
お、ほんとだ。
今回は女性か。

20代後半に見える女性が今年の担任みたいだが…
どこかで見たような雰囲気の人だな…。

先生
静かに!
新学期が始まって、
浮かれてる人がいます。
注意してください!

ライザ
あの人は…。

レイカ
ライザくん、あの先生の事知ってるの?

ライザ
いや、どこかで見たようなっと思ってさ。

アイ
私は今年からこの学園に入りました、
アイという者です。
以前は生徒会長を務めていました。
皆さんよろしくお願いします。

男子生徒
おぉ…あの先生…きれいだ!

男子生徒B
け、結婚とかしてるのかな…?

やっぱりアイさんだ。
去年は学園にはいなかったので、
本当に今年から入ってきたみたいだ。

ライザ
後で挨拶しにいこう…。

レイカ
やっぱり知ってたんだ!

ライザ
あぁ、まぁな。
昔の戦争の時にお世話になったからな…。

レイカ
確か…ライザのお父さんって…。

ライザ
そうだよ。
精霊使いの剣王。
でも、俺が学園に通い始めてから
行方不明なんだよな。

レイカ
ええ!?
そうなの…?

そう。
俺の父さんは学園に通い始めてから
突然姿を消した。
警察の力もあてにならず、
帰ってくることをただ願うしかなかった。

ライザ
まぁいずれ帰ってくるさ。

レイカ
そうだといいね…。

アイ先生がHRを終えると、
こちらに向かってきた。

アイ
こんにちは、ライザくん。
元気にしてた?

ライザ
お久しぶりです、アイさん。
あの時以来ですね。

アイ
元気そうで何よりだわ。
お父さんは元気にやってるかな?

ライザ
それが…俺が学園に通い始めてから行方不明で…。

アイ
え…そうだったの?
まったく…。
あの人はすぐに1人で行動しちゃうから…。

ライザ
何か知ってるんですか?

アイ
いいえ、何も知らないわ。
帰ってくるといいね、お父さん。

ライザ
はい!ありがとうございます!

アイ
それじゃあ頑張ってね!

アイさんは微笑むと、
教室の扉から廊下に出ていく。

レイカ
ライザくんもいろいろ大変だね…。

ライザ
大変な思いは沢山してきたから慣れたよ…。

レイカ
あ…ごめんね。

ライザ
気にすんな、
それより初っ端から移動教室だろ?
急がないと遅刻するぞ。

レイカ
うん!じゃあまた後でね!

レイカは楽しそうにこちらに手を振ると、
教室を出ていった。

ライザ
ふぅ…。しかし…。

この教室内にいる人数は簡単に数えて、
25名程度。
魔法者が最近少なくなってきているのは、
学園のパンフレットに書いてあった。
原因が不明みたいで、
魔力を持つ者がいなくなり、一般人化している。
これが外部には当たり前だが、
やはりこの島内では不思議な出来事だ。

ライザ
やっぱり厳しいのかな…。
子孫を残すってのは…。

ロオン
何か言ったか?

ライザ
うわっ!
なんだ…ロオンか…脅かすなよ…。

いきなり話しかけてきたこいつは、
レオンさんとレイナさんの子供、ロオンだ。
見た目は細めでいつも剣を腰につけている。
ちなみにその剣は、
レオンさんが使っていた剣らしい。

ロオン
あんまり新学期から頑張るなよ。

ライザ
あぁ、とにかく授業頑張るか…。

俺たちは授業時間中、
休みの間、
何をしてたかの話題で授業を全く聞いてなかった。

授業が終わってから、
やっと放課後へのチャイムが鳴る。

ライザ
くーっ!やっと終わった!

レイカ
お疲れ様、ライザくん。

ライザ
授業の時間は全部知ってる事で、
あんまり楽しくないんだよな…。

レイカ
羨ましいよ…。
私は風の精霊について勉強してるの!
でも、全然わからなくて…。

ライザ
それぐらいなら教えれるけど…。
何が知りたいんだ?

レイカ
えっとね、
風の力で浮遊したり、
暑いときに風を吹かせたりしたいの!

ライザ
浮遊はまだできないかもしれないけど…。
風を吹かすことぐらいならできるかもしれない!

レイカ
ほんとに!?
じゃあさっそく今からやろうよ!

ライザ
練習あるのみだからな!
よし、中庭へいくか!

レイカ
うん!!

俺たちは帰り支度を済ませると、
そのまま中庭へ向かった。

ロオン
………。
なんだか胸騒ぎがするな…。
ついて行ってみるか。

…………………。


俺たちは中庭に着くと、
さっそく練習をし始めた。

ライザ
俺は精霊魔法だから、
あんまり手本にならないけど…。
とりあえず風の魔法は大気中にある、
風の流れを読み取るんだ、

レイカ
う、うん…。

ライザ
最初は葉っぱを浮かせる事ができたら上出来だよ。

レイカは必死に風の流れを読むが、
そう簡単に発動させられない。

レイカ
んー、難しいなぁ。

ライザ
手のひらを平行にして、
そこだけに魔力を集中させるんだ。
後、力みすぎてもだめだから、
少しずつ力を加える感じでいこう。

レイカ
わかった!
よーし、こうかな…?

すると、さっきまでの無風とは違い、
ウィンドの魔法が発動し、
葉が空高く舞い上がった。

ライザ
おぉ!凄いじゃないか!
たったの5分で身に付けるなんて!

レイカ
や、やったよ!
ライザくんのおかげだよ!

そう言って、レイカが抱きついてくる。

ライザ
あ、ちょっ…!

レイカ
あ、あっ…ライザくん!
避けて!!

ライザ
ぐぇっ!!

俺はそのまま受け止められずに、
芝生の上に倒れ込む。

レイカ
だ、大丈夫…?

ライザ
う、うーん…。
視界が暗い…。

レイカ
なっ…なっ…!

ライザ
ん…?な…?

やけに顔に柔らかいものがある。
それに視界が暗くて全く見えない。

レイカ
ライザくんのばかあぁぁぁぁ!

ライザ
ぐぇっ!!

俺は2回もダメージを受けて、
意識が遠くなる。
思ったよりダメージが高かったみたいだ。

こんな事なら…もっと美味しいもの…
食べておくべきだった…。

ロオン
お、おいおい…。
何やってんだか…。
とりあえず保健室に運んでやるか…。

……………………

そして次、目覚めた時は、
天井が真っ白な場所だった。

ライザ
ん…?ここは…。

ロオン
気がついたようだな。

ライザ
あれ?ロオンじゃないか…。
俺は一体何をして…あ。

ロオン
お前がいつもつるんでやがる女に、
蹴りをいれられて気絶してるお前がいたから、
ここまで運んでやったんだ。

ライザ
まじかよ…。
レイカのやつ…。

そこまで言って、
ようやくここが何処か把握する。

ライザ
保健室か…。
かなりダメージ受けたみたいだな…。

ロオン
お前でも倒れてしまうこともあるんだな…。

ライザ
そりゃ守りもせずにあれだけやられると、
さすがにHPが持たないな。

???
んんっ…。

ロオン
……。
あ?

ライザ
誰か…いるよな…このカーテンの向こう…。

ロオン
こういうときは…。
スルーしかないよな。

???
ちょっと…!
そこにいるんでしょ…?

やっぱりスルーはできないみたいだった。