精霊魔法と学園LOVE.STORY Ⅳ

〜王都への道〜

第五話 〜黒き分身〜

第五話 黒き分身

だが、その珠は七色に輝きながら、
人型へと形が変わっていった。

ライザ
なっ…!?

レイカ
や、やっぱり…!
その珠は…一体どこから…。

ロオン
説明してくれよ、レイカさん…。

レイカ
あ、ごめんね!!
簡単に言えば、自分が分身するアイテムなの。
それもその人が持つ、
邪悪な心だけが2つに別れてしまうみたいに…。

そんな事ありえるのか…?
俺は聞いたことがないが…。
そうこうしているうちに、
もう一人の俺が完成する。

ブラックライザ
ん…。あぁ…?

ライザ
くっ…目つきが違うだけで、
他は一緒じゃないか…。

ブラックライザ
なんだてめぇ?
俺にそっくりじゃねぇか?

レイカ
こ、怖い…!

レイカが俺の腕にしがみついてくる。
小刻みに震えながら、恐怖を訴えている。

ロオン
っ…。

ブラックライザ
ちっ。似すぎなんだよ、気持ちわりぃ。
じゃあな。あばよ。

先生
おい!お前は…ライザくんか…?
何故2人に…?

ブラックライザは風の精霊魔法で、
飛行し、そのまま何処かへ飛んでいった。

ライザ
とにかく今日は帰って休もう…。
レイカ、大丈夫か?

レイカ
うん…帰ろう?

ロオン
すまないが…用事を思い出した…。
先に帰っててくれ。

そう言うと、
ロオンは校舎へと走っていった。

ライザ
仕方ない、2人で帰るか…。

レイカ
うん!

………………。

ロオン
…やはりな…。

以前の蔓草の遺跡の扉が開かれている。
さっきのブラックライザが開けたのだろう。

ライザの邪悪な心か…。
何か企んでいやがるな…。
ん?誰か…いるのか…?

ロオン
おい!誰かいるのか!?

俺は物陰に隠れた者に呼びかける。
が、返答なし。
これは行ったほうがいいのか?

ロオン
仕方ねぇな…。

俺は剣を抜き、
踏み込みをかけ、物陰に突進する!

〜戦闘開始〜

ロオン HP320 MP70

女の子と妖精 HP150 FP500


ロオン
はぁ?女の子だと…?

???
ひっ…助けてください…!
接近戦はダメなんです…!

ロオン
じゃあ聞かせてくれ。
何故ここにいる?

ミナモ
と、とりあえず…私はミナモ!
よろしくね!

ロオン
あ、あぁ…よろしく…俺はロオンだ…、
じゃなくて!何の用があり、ここにいる?

ミナモ
あたしは…友達がこの中で戦ってるって聞いて…。
恐る恐る来てみたけど…!
さっき友達の悲鳴が聞こえちゃって…!

ロオン
なるほどな…。
ちなみにその友達の声はどこから聞こえた?

ミナモ
あそこの…扉の向こうで…。

ロオン
よし、わかった。

俺はそのまま一気に扉を開け放つ。
すると、信じられない光景が待ち受けていた。

暗黒者
よう、レオンの息子、ロオンさんよ。

ロオン
なっ、何故父を知っている!

暗黒者
以前に戦ったからだよ。
わからないかなぁ?
つーか。その神剣、レオンのものだな?
言っとくが…その剣は通用しねぇぜ?

???
剣士さん!気をつけて!
その人、能力をコピーするの!

暗黒者
おやおや、うるさいですね。
女は黙ってみてろっつーの。

ロオン
危ねぇ!

俺はトリックスピードを使い、
女の子を魔法から守る。

???
きゃぁっ!
い、痛くない…?

ロオン
くっ…とりあえず下がってろ…!

ミナモ
ヒカリ…!
無事だったんだね!

暗黒者
次から次へと…!
邪魔な奴等だ!

ヒカリ
ミナモ!危ないよ!!

ロオン
ば、バカ…!

さすがに間に合わないだろうが…、
トリックスピードを使い、
守りの体制に入る。
が…。打ち消されてしまい。

ロオン
ぐっ…はっ。

見事に炎魔法が決まってしまった。

暗黒者
あーあー、
だから言っただろ?
同じ事は通用しねぇんだって。

ロオン
に、逃げろ…2人とも…。

ミナモ
ロオンくん!!

ヒカリ
ミナモ!近づいちゃだめ!!!

ロオン
バカ野郎…!

俺が目を閉じ、
覚悟を決めた瞬間、
魔法同士の相殺がおこった。

ミナモ
っ…!

ヒカリ
だ、大丈夫!?
ミナモ!

ミナモ
私は平気だけど…!
こ、この人が…。

ロオン
な、なんだ…?

俺は何とか顔を上げると、
そこには…。

ブラックライザ
勘違いすんじゃねぇぞ、クソが。
邪魔だ、引け。

ミナモ
あ、ありがとうございます!

ブラックライザ
ちっ、女どもを連れ、入口に戻れ!

ロオン
くっ…すまない…。
行くぞ…そこの2人…。

……………。

ブラックライザ
邪魔者はいなくなった。
さぁ!show timeの時間だ…!

暗黒者
…。お前…ライザだな?
ずいぶん目つきが変わったな…。
まぁいい、殺ってやる!

ブラックライザ
望むところだ、クソ野郎ぉ!

…………………。

ライザ
なんだ…この感じ…。

レイカ
どうしたの?
具合でも悪いの…?

ライザ
何処かで凄い力が感じる…。
学園に戻ろう!!

レイカ
え、ちょっと!ライザくん!
…もぉ!しょうがないなぁ。

俺は全力で走り、
魔法の力が強い場所を目指した。

…………。

ミナモ
ごめんね…ごめんね!

ロオン
大丈夫だ…。
それより…怪我はないか?

ミナモ
うん…。
怖かったけど…。

ヒカリ
そんな事より…!
ロオンくんの回復が先だよ!

ロオン
いいから…ここから離れろ…。
俺は時期、立てるようになる。
早く帰宅するんだ…。

ヒカリ
で、でも…。

ロオン
いいからいけ!!

ミナモ
行こう?ヒカリ!

ヒカリ
す、すみません…!
また会えたら嬉しいです!
では!

こんなカッコつけてしまったけど…。
どうすっかな…。

扉の向こうでは未だに魔法が、
ぶつかり合う音が響いている。

ロオン
少し…休もう…。

俺は壁に寄りかかり、
目を閉じて休んだ。

………………。